3年ぶりの札幌だと思う。
8月末に札幌で行われる現代舞踊フェスティバルに、
能藤玲子舞踊団の1人として参加することを決めた。
3年前、
本公演では1時間の群舞だった「限られることの」という作品の抜粋。
与えられた時間は9分。
1時間が9分になっても、3年踊っていない、熟女化する身体には厳しいはず。
参加を決めても、なんだか現実化せず、
4月頭、やっとこさ重い腰をあげ、ジム通いを始めた。
それから3ヶ月半くらい、あっというまに過ぎた。
途中、トラパラのお誕生日ライブやら、東京以外のライブもあったし、
思うように鍛えられない日々もあったけれど。
そしてとうとう、稽古に参加する日がきた。
さわやかな風に迎えられるつもりだったが、
札幌は案外ジメジメしていて、東京みたいな暑さだった。
現実は甘くないと教えられている気がした。
今日は1回めの稽古。
メンバーが集まる前に、東京から参戦するもう1人のメンバーと昼間に稽古場へ。
基本的に音楽に合わせて踊らず、
ダンサー達の呼吸で踊っていくスタイルなので、
その動きのテンポや、数え方、数を含めて振りおとしをしてもらった。
動きを追っていくだけで、もう、腿の筋肉がキツくて振動を起こす。
気持ちはあるのだが、身体がついていかない。。。
予想していたことだが、現実は、やはり厳しかった。
それでも。
嬉しかった。
また踊れる喜び、、
とりあえず振りの全貌がわかって安心した思い、、
仲間の「おかえり〜」の声、
先生の嬉しそうな表情と、愛情ゆえの厳しい言葉。
メンバーは皆30歳を越え、人生の重みが動きに反映される。
飛ぶ事も足を高く上げることもない。
ただひたすらに中腰のまま、じわじわじわと動いていく、
"静"のダンス。
動かない。
動けない。
あえて"現在"、そのフォルム。
重い重い群舞だ。
それにしても、腿が....
途中、起こって来る振動に、自分で失笑しつつ。
この熱をもった腿を、まず冷やすか。。。
稽古が終わり、
携帯を確認すると、
散々お世話になった方の訃報が入っていた。
実は、ここ数日、彼女のことが急に心配になっていた。
お見舞いのタイミングを逃していて、、
お見舞いに来てよーとわざわざ電話があったのに。
忙しい時があったのも事実、
彼女の病状がかなり過酷であると解っていたので、
会いに行くのに、なんだかビビってたことも事実。
申し訳なかったなぁ。
豪快で猫と暮らす優しい人だった。
私の良さを生かしてくれて、
私も、毎回、それに応えようとして、
信頼関係を越えた あうん の呼吸で進むようになっていった、
大好きな仕事の現場だった。
空しい想いで帰って来たら、
松永孝義(b)さんも亡くなったと知った。
音楽的に御一緒する機会は無かったけど、
本当に色気のある、大人の音だった。
2人とも同じくらいの年齢だと思う。
50代。
一番憧れの年齢だ。
私も もうすぐだ。
「限られることの」
ここにきて、この作品に、
歌でもなく肉体で参加することは、
"必然"なのだろうな。
生きていること、
生きていたからこそ死があること、
その表裏を近くに感じさせてもらった。
また"空"で会えるから、
私は"静"の中に、
その頂いた"現実"を肉体を使って運動にかえよう。
本当に有り難うございました。
お見舞いにいけなくて、本当にごめんなさい。
向こうで猫ちゃんが迎えてくれたでしょう？
再会を愛おしんでください。
素晴らしいベーシストも行かれました。
Sさん、好みのタイプだと思いますよ〜、、
色っぽいベースの音にしびれて、恋に落ちてもいいですよ。
片思いでも責任は持てないけれど、、ははは。
闘病しながらのお仕事、大変でしたね。お疲れさまでした。
激励に行けなかった自分が悔やまれます。
ほんと、ごめんなさい。
育ててもらった。
寄せて下さる信頼が嬉しかった。
大切な縁を繋いでて下さった方でもあります、有り難うございました。
ゆっくりしてください。
私が行ったら、ゆっくり飲んだり食べたりしながら、
お互い若かりし頃の話とかもしましょう。
ライブ行きたいんだよねぇ、、といつも言って下さいましたね。
来てくれなかったから、しょうがない、私がそっちに行って歌いますよ。
いや、これからは自由に、どこへでも聴きにいけるのかな？
だとしたら、私のライブにも来て下さいね、、順番待ち後のほうでも良いから。
さみしいけど、私はまだ修行が残っているようです。
頑張ります。
