合掌。

3.11。
この数字だけで、身体が萎縮する。
被災地にいたわけでもないのに。

週末、仕事で京都にいて、丁度、花灯路の期間だった。
せっかくなので、清水寺や青蓮院の、夜の特別拝観に出向いた。

卒業シーズンだからだろう、、若い人のグループが多く、
妙に浮き足立った清水寺に向かう賑やかな道を歩いていると、、
大日堂というところに鎮座する、美しい大日如来像に出逢った。

陸前高田の流出松を用いて、京都伝統工芸大学校の生徒さんたちが造り上げたという。。
古いものではないはずなのに、何年もそこにいて、多くの祈りを受け止めて来たような、その お姿 に、驚いてしまった。
肌寒い春の雨を、じっと眺めていらっしゃる。

このお体が、あの津波を通って来たのだと思うと、つい号泣してしまいそうになるのを止めつつ...長い間、手を合わせた。
キャッキャとはしゃぐ声が、どんどん遠くになって、"ここ"がすぅ〜っと静かになっていく。

3.11の1年後、南相馬の仮設住宅で歌った日、、ライブの途中で黙祷時間になった。あの日経験した黙祷の、悲しく、重く、深く深く沈むような 静けさ には、
とても及ばなくて、、だからこそ、改めて思い出させてもらえた。

花灯路も美しかったし、世界遺産の清水寺も、ミステリアスな青蓮院も素晴らしかった、、でも結局、私を京都にとどまらせたのは、この大日如来だったのかもしれないと思った。

はしゃいだ観光客は、素通りするんでなければ、
のぞきもせず、そこでただ雨宿りするだけだったけど、、
ひとり、私より長く長く手を合わせている、若い青年がいた。

希望はある。
消せない過去はどうしようもないものだとしても。

その大日如来さまの写真は、どうしたって撮る気になれなかった。
ので...
特別拝観の清水寺、青蓮院、、
そして、少し前に、やはり週末で混雑した京都で逃げるように入った建仁寺で取り組んだ写経の写真を。

浮き足立つのは人間だけ、寺院はどこも、ただ重く静かだ。
せめて今日は、心のざわめきを止めて、合掌に集中したい。

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